221006 苫米地英人 / 『「イヤな気持ち」を消す技術』 読書グラフィ 今日読んだ本

読書グラフィ 今日読んだ本

★苫米地英人 / 『「イヤな気持ち」を消す技術』

●クライシスサイコロジー

イヤな出来事、悲しい出来事、恐ろしい出来事の記憶に囚われない、

あるいはその記憶から解放されるために、人間が恐怖体験とどのようにつき合うか。

●「折れない心」とか「心を鍛える」というように、

心がまるで鍛えることのできるもののように錯覚しています。

しかし、心はそもそも、鍛えたり強くしたりできるものではありません。

●そもそも人間は、イヤな出来事をよく記憶するようにつくられています。

 その理由は、次に同じようなことが起こりそうなときに、

 それを避けなければならないからです。

●言語野は、右利きの人の90数%で左脳側にありますが、

 左利きの人ではおよそ60%が脳の右脳側にあります。

●カッカカッカと怒ったり、ドキドキして不安が高まったりしているときは、

 大脳辺縁系が優位になり、前頭前野の活動が低下している状態にほかなりません。

 したがって、前頭前野を働かせ、大脳辺縁系の活動に介入することによって、

 本来、その状態は即座に収まるはずですが、

 それをうまくできない人が多いのです。

●完璧な論理によって前頭前野の介入が行われたことで、

 大脳辺縁系の活動が抑制され、心底リラックスした状態が生まれる。

 相手に対する怒りを、逆に相手に対する憐憫(れんびん)に変えることは、

 その瞬間に大脳辺縁系優位の攻撃性を鎮める、前頭前野の介入テクニックです。

●CDC(アメリカの疾病管理予防センター)

 緊急時、平常心を保つ 4つの基本原則

(1)緊急事態が起こったときは、

最初に「最悪の可能性を伝えなさい」。

そして「それが時間とともに改善していっていることを数字で伝えなさい」。

(2)政府は、たとえば「聞きを収束させます」という約束をしてはダメで、

むしろ状況の不確定性を人々に正確に知らしめ、

その問題を解決するプロセスについてのみ伝えなさい。

(3)その後の取り組みによって、

問題解決のプロセスが進んでいることや状況が改善していることを伝えるために、

それを示すデータや数字を継続的に国民に与えていくこと。

(4)恐怖を認め、

人々に目の前の恐ろしい事態に関連する文脈情報を与えなさい。

●ファイト・オア・フライト(Fight or Flight)

 戦うか、逃げるか。

 人間は危機に瀕する(ひんする)とこの状態に置かれます。

●クライシスがやってきて「ファイト・オア・フライト」の状況が起こると、

 人間の脳では前頭前野の活動が抑えられ、

 扁桃体を含む大脳辺縁系の活動が活発になるのです。

 こうした「ファイト・オア・フライト」の脳の状態を一言でいえば、

 IQが下がっている、頭を使わなくなる、といってもいいでしょう。

 これは決して悪いことではなく、瞬間的な判断が必要とされるときは、

 そうなっていなければいけないわけです。

「ファイト・オア・フライト」の大脳辺縁系優位の情報処理を

 前頭前野優位に変えるには、

 文脈情報を読んで、前頭前野を働かせることが一番。

 具体的には、文脈情報を与えてやることで、

 恐怖体験を知的情報に変えてしまいます。

 例えば、大震災でものすごい地震に遭って震えている子どもがいたとすれば、

「上から物が落ちて危ないから、次に起こったときはヘルメットをかぶるんだよ」

 子どもの前頭前野を働かせてあげることです。

●「オレはすごいヤツだ」と心から思うためには、

 自己責任でベストの選択を行い、ベストの結果を出すことしかありません。

●イヤな体験に対処するための 3つの方法論

(1)高い抽象度で考える。

(2)イヤな出来事の記憶に、

「嬉しい、楽しい、気持ちいい、すがすがしい、誇らしい」

 という情動感覚を結びつける。

(3)脳を自己発火させる。

□苫米地英人『コンフォートゾーンの作り方』

●「嬉しい、楽しい、気持ちいい、すがすがしい、誇らしい」

 強烈な体験を具体的に思い出してみましょう。

 そして、そのときのプラスの情動感覚をしっかりと出すようにしてください。

 次に、イヤな情動にまつわる出来事を思い出して、

 このプラスの情動感覚をそれに結びつけてしまいます。

 つまり、イヤな出来事を思い出しつつ、同時に

「嬉しい、楽しい、気持ちいい、すがすがしい、誇らしい」

 という情動感覚を出すわけです。

●ここで大切なことは、

「嬉しい、楽しい、気持ちいい、すがすがしい、誇らしい」という情動感覚を、

 それぞれがあらかじめ用意しておくことです。

●私がよく勧めているのは、わざわざ自分にアンカーするために、

「嬉しい、楽しい、気持ちいい、すがすがしい、誇らしい」を思い浮かべながら、

 いつも身につけているペンダントなどのアクセサリーをさわる方法です。

 すると、ペンダントにさわるという行為がトリガーとなり、

 いつでも好きなときに

 アンカーとなる感情を即座にバーンと引っぱり出せるようになります。

●前頭前野内側部の眼窩(がんか)腹側内側部というところに

 洗脳させると発火する場所があり、

 そこが気持ちよくなって幸福感に包まれるのです。

 実は、これが宗教のツボといわれている場所です。

 すでに、その位置まで確認されています。

 洗脳とはその場所を発火させるパターンを前頭前野につくることだ、

 という考え方も生まれているほどです。

●神社にお参りに行き、お賽銭(さいせん)を投げて手を合わせると、

 とても安らかな気持ちになる日本人というのは、結構な数がいます。

 別に神道を信じているわけではないのに、

 そのときだけ宗教のツボが発火し、幸せな気持ちがするわけです。

 子どものころから、神社や鳥居を見たり、

 神を畏れる(おそれる)ことの意味を説いて聞かされたりした結果、

 知らないうちにすっかり洗脳されているわけです。

 もちろん宗教の論理では、

 これは信徒を神に導き、社会に秩序をもたらす

「良い洗脳」であるということになるのは言うまでもありません。

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