210908 水島広子 / 『自己肯定感、持っていますか?』 読書グラフィ 今日読んだ本
読書グラフィ 今日読んだ本
★水島広子 / 『自己肯定感、持っていますか? あなたの世界をガラリと変える、たったひとつの方法』
●自己肯定感 = 自分を大切にする気持ち
●本書でいう「リスペクト」とは、
「ありのままの相手に敬意を持つ、尊重する」という感じでしょうか。
●「自己肯定感」を持てと言われても、
他人に誇れるような才能や能力などない。
「自己肯定感」とは、「優れた自分」を誇りに思うことではありません。
「ありのままの自分」をこれでよいと思える気持ちです。
●大切なのは、「持続可能」という考え方。
このままのやり方で自分はもつのだろうか、
ということを考えてみるのです。
「もたせなければいけない」のではなく、
「現実的に可能か」という視点が必要です。
●自己肯定感が低い人は、
「無理しすぎないで、自分が持続可能な状態でいる」という、
自分中心の考え方がなかなかできません。
「過労→働き方を見直す」という発想が浮かびにくいのです。
そして実際にそこから心身を病んでいく人は少なくありません。
また、過労状態を指摘されたときにも、
「でも誰でもつらいことには耐えているのだから」などと言って、
状況を改善しないこともあります。
つねに「自分の頑張りが足りない」「自分の我慢が足りない」といった目で
自分を見てしまっているので、
自分がきつい状況にいることを自覚できないのです。
●人間を含め、動物は脅威を感じると、
「fight or flight(闘争か逃避か)」反応を起こします。
逃げられる状況であれば逃げるし、逃げられないとなると闘うのです。
●ある人から見ると正しくないように見えることでも、
別の人の事情を考えれば、それが「正しい」ということになるのです。
●他人をリスペクトできれば、
自分のこともリスペクトできる、つまり自己肯定感が高まる。
●「尊敬」を広辞苑で調べると、
「他人の人格・行為などを尊びうやまうこと」
●優れた人格や優れた業績を持つ人に対して、尊敬の念を抱き、
できることなら自分もああなりたいけれども無理だろうな、
などと思ったりするのは、多くの人になじみがある感覚だと思います。
実は、このような感覚は、同じ「リスペクト」の訳語であっても、
本書でお話するリスペクトとは対極にあるものです。
「○○だから尊敬」は「条件つきのリスペクト」
●条件をつけずに、ありのままを無条件に受け入れる
「無条件のリスペクト」
あの人の現状には、いろいろな事情があるんだろうな。
そう思えるとき、私たちはどんな人に対しても、優しくなれます。
それぞれが与えられた事情の中で一生懸命生きている。
●相手の事情によっては、
正直に話すと攻撃してきたりうるさく干渉してきたりする、
などという場合もあるでしょう。
そんな場合は、自分を「作る」のではなく、
距離を置くようにしていくほうが、自己肯定感を損ねずにすみます。
●ある「行為」に対処する際にも、
「とにかく嫌」「信じられない」という気持ちでいるのと、
「あんなに異常な行動をとるようになったのは、
よほど深い事情があるのだろうな」と思えるのとでは、
そこから受けるストレスがずいぶん違うと思います。
ですから、「相手には事情があるのだな」という見方をすることは、
自分にとってもデトックスになると言えます。
●他人をリスペクトするための5つの原則
(1)お互いの「領域」を守ること。
人にはそれぞれ、持って生まれた条件や、
生きてきた中での様々な事情がある。
「相手の領域」を守る、ということは、
その人の「ありのまま」を尊重することです。
(2)「なるほど」の瞬間を積み重ねる。
人の話をよくよく聴いてみると、確かにダメな行動なのだけれど、
事情を考えればそうするしかなかった、
ということが腑に落ちてくるものです。
「なるほど」には、道徳的な善悪の観念は全く必要ありません。
それがどれほど「悪い」ことだとしても、
「なるほど」と思えればよいのです。
例:病気の母を抱え、お金がないときに、盗みを働いた など
「なるほど」と思う体験を繰り返していくと、
事情がわからない相手についても、
「よくよく聴いていけば、きっと『なるほど』と思える文脈があるのだろうな』
という気持ちで見ることができるようになります。
(3)人を変えようとするのはやめる。
人は他人から否定されると、自己防衛に入るものです。
相手を変えようとすればするほど、相手は心を閉じてしまうでしょう。
そもそも、人は変えようとしても変わらないものです。
もちろん人は変わることができます。
でもそれは、その人の準備ができている、というタイミングで起こるのです。
こちらが変わってほしいタイミングで変わることなど、まずありません。
ですから、人を変えようとすることなく、
ただ現状の「ありのまま」を受け入れていくことが、
その人が変わるための最善の策。
なお、ここの「人」には、自分も含まれます。
変わることができない自分を責めるよりも、
今の「ありのまま」を優しく受け入れることがとても大切です。
誰にとっても、合い言葉は、「今は、これでよい」なのです。
(4)リスペクトを示す話し方をする。
自分が話すときには、他人の「ありのまま」だけではなく、
自分の「ありのまま」を受け入れる話し方をする必要があるのです。
「自分の領域」の中だけで話すこと。
「あなた」が主語である場合、それは「自分の気持ち」ではありません。
リスペクトを示す話し方とは、「私」を主語にしたものです。
例:「”あなた”はこんなことを言ってひどい!」 →
「そう言われると、”自分”はこれではダメだと自信がなくなる」
(5)自分が下した「評価」にとらわれない。
物事を見たときに、自分なりに評価するのは、
「現時点での自分」がする、きわめて一時的・主観的なものです。
同じものを見ても、人によっては全く評価が異なることもありますし、
同じ人でも、時期によってその評価は変わってきます。
「今の自分が下した評価」にすぎない、ということを認識しておかないと、
唯一絶対の真実のように人に押し付けて(決めつけ)てしまったり、
不寛容になって「相手の領域」を侵害してしまったりします。