220209 ジム・コリンズ / 『ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則』 読書グラフィ 今日読んだ本
読書グラフィ 今日読んだ本
★ジム・コリンズ / 『ビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則』
●飛躍した企業は、偉大になるために
「なすべきこと」に関心を集中させたわけではなかった。
それと変わらぬほど、
「してはならないこと」と「止めるべきこと」を重視している。
●第五水準のリーダーシップ
万事に控えめで、物静かで、内気で、恥ずかしがり屋ですらある。
個人としての謙虚さと、職業人としての意思の強さという
一見矛盾した組み合わせを特徴としている。
●第五水準までの段階
(第一水準) 有能な個人
才能、知識、スキル、勤勉さによって生産的な仕事をする。
(第二水準) 組織に寄与する個人
組織目標の達成のために自分の能力を発揮し、
組織のなかで他の人たちとうまく協力する。
(第三水準) 有能な管理者
人と資源を組織化し、決められた目標を効率的に効果的に追求する。
(第四水準)有能な経営者
明確で説得力のあるビジョンへの支持と、
ビジョンの実現に向けた努力を生み出し、
これまでより高い水準の業績を達成するよう組織に刺激を与える。
(第五水準)第五水準の経営者
個人としての謙虚と職業人としての意思の強さという
矛盾した性格の組み合わせによって、偉大さを持続できる企業を作り上げる。
●第五水準の指導者は二面性の典型例だといえる。
謙虚だが意思が強く、控えめだが大胆なのだ。
●第五水準のリーダーシップの二面性
▼職業人としての意思の強さ
・素晴らしい実績を生み出し、偉大な企業への飛躍をもたらす。
・どれほど困難であっても、長期にわたって最高の実績を生み出すために
必要なことはすべて行う固い意思を示す。
・偉大さが永続する企業を築くために基準を設定し、
基準を満たせなければ決して満足しない。
・結果が悪かったとき、窓の外ではなく鏡をみて、責任は自分にあると考える。
他人や外部要因や運の悪さのためだとは考えない。
▼個人としての謙虚さ
・おどろくほど謙虚で、世間の追従を避けようとし、決して自慢しない。
・野心は自分個人にではなく、企業に向ける。
次の世代に一層の成功を収められるように後継者を選ぶ。
・鏡ではなく窓をみて、他の人たち、外部要因、幸運が
会社の成功をもたらした要因だと考える。
・静かな決意を秘めて行動する。
魅力的なカリスマ性によってではなく、
主に高い基準によって組織を活気づかせる。
●偉大な実績に飛躍した企業と比較対象企業との間には、
戦略に二つの基本的な点で決定的な違いがあった。
第一に、飛躍した企業では、戦略の策定の基礎として、
三つの主要な側面(三つの円)を深く理解している。
第二に、この深い理解を単純で明確な概念にまとめ、
この概念をすべての活動の指針(針鼠(はりねずみ)の概念)にしている。
針鼠の概念は、目標ではないし、戦略でもないし、意図でもない。
理解である。
●三つの円
(1)自社が世界一になれる部分
同様に重要な点として、世界一になれない部分はどこか。
(世界一に「なりたい」分野ではない)
その時点で従事していない事業かもしれない。
中核事業で世界一になれないのであれば、
中核事業は針鼠の概念の基礎にはなりえない。
(2)経済的原動力になるもの
キャッシュフローと利益を継続的に大量に生み出す
もっとも効率的な方法を見抜いている。
(3)情熱をもって取り組めるもの
三つの円の重なる部分に入らないものであれば、
どんな機会でも見送る意志をもつことである。
●偉大な業績への飛躍を導いた経営幹部を対象に行ったインタビューでは、
全体の80%は、飛躍をもたらした上位五つの要因のひとつとして
技術をあげていない。
ニューコアのように、新技術の利用の先駆者として有名な企業でも、
この点は変わらない。
●調査結果から指摘される結論(抜粋)
(1)初期の指導者が偉大な企業への飛躍をもたらす枠組みを
適用していた事実が、かなりはっきりとみてとれる。
(2)偉大な企業を、永続する卓越した企業に転換させるには、
基本的価値観と利益を超えた目標(基本理念)を見つけ出し、
「基本理念を維持し、進歩を促す」仕組みを組み合わせる。
●デーブ・パッカード
シリコン・バレーのごく初期に十億ドルを超える資産を築いた人物だが、
1957年に夫婦で建てた小さな家に住んでいた。
パッカードの死後、家族が追悼の小冊子を作ったが、
故人の写真は作業服を着てトラクターに乗っているようすを
写したものであった。
写真説明は、デービッド・パッカード、1912~1996年、農場主など
と書かれている。
●メルク 社の理念
医薬品は患者のためにあることを忘れない。
医薬品は利益のためにあるのではない。
利益は後からついてくるものであり、
われわれがこの点を忘れなければ、利益はかならずついてくる。
このことを肝に銘じていればいるほど、利益は大きくなる。
●時を告げるのではなく、時計をつくる
経営者の何回もの世代交代、いくつもの製品サイクルを通じて継続し、
環境の変化に適応できる組織を作り上げる。
ひとりの偉大な指導者や、ひとつの偉大なアイデアを中心に
企業を作るのとは正反対の考え方である。
●BHAG=Big Hairy Audacious Goals
社運を賭けた大胆な目標。
●ボーイング 軍用大型機
B17(空の要塞)、B29(空の超要塞)、B52(成層圏の要塞)
●ある高校のクロスカントリー・チーム
タイムを調べるのではなく、順位を調べる。
レースの最後、2マイル地点からゴールまでの間に、
何人を追い抜いたかを計算する。
レースの後に、各選手に記念のビーズを追い抜いた数だけ贈る。
選手がこれでネックレスかブレスレットを作り、
やっつけた敵の数を誇る仕組みになっている。
●「走るのは楽しい、レースは楽しい、
力を伸ばすのは楽しい、勝つのは楽しい。
これがチームの活動の基本になる考えだ。
チームの活動に熱意がもてないのだったら、
他に熱中できるものを探すべきだ。」
●スタンフォード大学経営学大学院 教授 ロバート・バーゲルマン
「ビジネスでも人生でも、完全な失敗以外でもっとも危険なのは、
成功を収めているが、なぜ成功したのかが分かっていない状態だ。」