210506 池田弘 / 『ライフデザイン力 未来を切り開く力の育み方』3 読書グラフィ 今日読んだ本
読書グラフィ 今日読んだ本
★池田弘 / 『ライフデザイン力 未来を切り開く力の育み方』
●かつては、決められたことを早く確実に行うことができる人が
重用されました。しかし、いまはそれだけでは不十分で、
まわりの状況を自分なりに分析し、
進むべき道を自分で考えながら決定できる能力が条件になることがあります。
●グローバル化とローカル化は、
一般的に対立するものとして論じられることが多いようです。
そもそも、グローバル化はローカルという
ベースなしには成立しないものです。
●自分で設定した課題の解き方には効率的に行うための
マニュアルのようなものは存在しないし、
それでいて解き方や答えが何通りもあったりするので
取捨選択を行うのはひと苦労です。
その反対に、課題によってはこれといった正解が
存在していないようなこともあったりするので非常に厄介です。
これが社会の中で成果を上げることの難しさです。
学校の勉強のときとちがって、
社会に出てから向かうべき課題は決まり切った解き方や答えがないので、
自分なりに試行錯誤しながらクリアしていくしかないのです。
●志が大事なのは、これがあることで心の持ち方や信念のようなものができて、
様々なことがそのモノサシによって判断できるようになるからです。
社会の中で生きていると、様々な場面で判断することが求められます。
そういうとき、理念がない人は、あれこれ考えて迷い、
なかなか行動できなかったり、逆にあてずっぽうで動いて、
まわりから見ると
いかにも一貫性のない動きをしているように思われたりします。
これらはすべて、
考えや行動を決める価値基準になるものがないのが原因です。
志を開き、自分なりの理念を持つことができた人は、
日常の言動からしてちがいます。
価値判断のモノサシが自分の中にあることで、
様々なことの判断が自信を持ってできるようになるのです。
また、考え方や行動に一貫性があることで、
まわりからの信頼を得られやすくなるというふうに、
地に足がついた人生を送りやすくなります。
●ライフデザインや組織デザインを行う上で大切な2つの心構え
(1)自立の心
(2)挑戦する心
●自分の人生を左右する大事な場面に直面したときには、
どんなに苦しもうと自分で考えて決めるべきです。
判断ミスの責任は当然、すべて自分で負わなければなりません。
しかし、自分で決めると、どんな結果であろうと
自分で受け止めやすくなるし、
なによりも目の前の問題に真剣に取り組むことができるようになります。
もちろん、まわりからアドバイスを得るのはいいことなので、
どんどんもらうといいでしょう。
まわりからのアドバイスはあくまで参考意見として受け止めて、
最終的な判断は自分で行ってください。
●人は変化を嫌って無意識のうちに枠の中に収まりたがるところがありますが、
こういう傾向が強い人ほどミスマッチによって苦しむことが多くなります。
こういう問題を避けるには、
変化を嫌がらずに対応できる柔軟さが必要になります。
もう少し進んで、意欲を持って
新しいことに前向きにどんどん取り組むくらいのほうが、
何事もうまくいく可能性は高くなります。
可能性の芽はなるべく潰さないようにして、
むしろ最初の段階では
挑戦する心を大事にしながら発想を広げていくことです。
世の中の動きは複雑で、たいていのことは頭で考えたとおりに進みません。
いいか悪いかは、本当のところは実際にやってみないとわからないものです。
取り返しのつかないことになったら本末転倒です。
試すときには、致命的なミスにならないように
細心の注意を心がけることも大事です。
●自分がつくった仮説やモデルのおかしさや問題点に気づかされると、
どうしても否定的になってしまうのが人間です。
否定的な気持に負けることなく挑戦が続けられるように、
自分をモチベートしていくのです。
私の場合は、「失敗」という言葉を使わないようにしています。
この言葉には、挑戦のための努力をあきらめさせる
マイナスのニュアンスが含まれているからです。
挑戦をやめてしまえば失敗ですが、
粘り強く努力を続けていたら、それは失敗にはなりません。
あくまで「貴重な経験」です。
つまり、成功に至るまでの一つのプロセスにすぎないのです。
●自分の人生と向き合い、真剣に考えることをぜひやるべきですが、
それは本当の教養を身につける努力をした上で行うとより効果的です。
具体的には、いわゆる「リベラル・アーツのようなもの」の学習を行うこと
をお勧めします。
・リベラル・アーツ
ギリシア・ローマ時代に理念の源流を持つ、
奴隷でない自由人として生きていくのに必要な素養。
●セブン・リベラル・アーツ
ヨーロッパの大学で取り入れられていた。
(1)文法、(2)修辞学、(3)弁証法(論理学)の三学と、
(4)算術、(5)幾何、(6)天文、(7)音楽 の四科。
かつてはさらに上位に、
「哲学」や「神学」が位置づけられていたようです。