210514 山口真一 / 『なぜ、それは儲かるのか』2 読書グラフィ 今日読んだ本
読書グラフィ 今日読んだ本
★山口真一 / 『なぜ、それは儲かるのか 〈フリー+ソーシャル+価格差別〉×〈データ〉が最強な理由』
●情報財の多くは限界費用が限りなくゼロに近い。
・情報財・・・
情報産業が生み出す製品やサービスのこと。
例:テキスト、ニュース、アプリ、データなど。
・限界費用・・・
経済学用語で
「生産量を1単位だけ増加させたときに追加でかかる費用」のこと。
●完全同質財(市場競争が起こっている財(製品・サービス)で、
どの企業から買っても差がないと消費者に思われているもの)は、
価格が限界費用まで低下する。
●コモディティ化
商品・サービスが差別化できなくなること。
●カニバリゼーション(共食い)
自社の製品がほかの自社製品の需要を奪ってしまうこと。
●フリーミアム
フリー+プレミアム
□BowNow
無料で使えるマーケティングオートメーション。
●実験
500以上の楽曲の半年分の時系列データを分析した結果、
YoutubeでMV(ミュージックビデオ)の無料配信を行うことで、
CDの売上が増加する効果が検出された。
プロモーション効果が
カニバリゼーション効果(MVで満足してCDを買わない)を
上回っていたといえる。
●ダートマス大学 ジェフリー・G・パーカー教授ら
情報社会前の巨大企業は、
供給側の規模の経済(生産規模や生産量を高めるほど、
生産コストが減少して企業の利潤が増えること)によって誕生したが、
現代の巨大企業は需要側の規模の経済(ユーザ数が増えることで
ネットワーク効果が働くこと)によって誕生している。
●バイラルマーケティング
(viralは本来、「ウィルスの」「ウィルス性の」という意味)
・キリンビール 淡麗グリーンラベル
「ツイッターおにごっこキャンペーン」
#イインダヨとツイート>
30分以内にキャンペーンアカウントから返信されなければ、
抽選で淡麗グリーンラベルが当たるという企画。
・ワービー・パーカー(Warby Parker)
ニューヨーク発の通販メインのアイウェアブランド
「ホーム・トライオン(Home Try-On)」
消費者は5つまで眼鏡を注文し、5日間自由に試着できる。
ただし、Instagramでハッシュタグ#warbyhometryonで、試着姿を投稿する。
・ドロップボックス(Dropbox)
フリーのユーザ「新規ユーザを紹介したらストレージの容量を増やす」
というプロモーション。
●発信するための消費
ソーシャルメディアに投稿する写真を撮る目的で、
商品やサービスを消費する。
●一人勝ち = Winner-Takes-All
●『フリー』著者のアンダーソン氏
限界費用が限りなくゼロに近い情報財では、
有料ユーザが5%いればサービスとして成立する(5%ルール)
と述べている。
□米国 電子カルテ企業 プラクティス・フュージョン(Practice Fusion)
無料クラウド型カルテ
●ビコリム戦争(Bicholim Conflict)
ウィキペディアで5年掲載されていた記事だが、
このような戦争は歴史上存在しなかった。
●カルフォルニア大学 ニーズィー教授の実験
保育園でお迎えに遅刻する親を減らすために、罰金を導入。>
罰金を導入した後ではむしろ遅刻する親が増えた。
迷惑をかけまいと時間通りに迎えに行っていた親たちが、
「遅刻しても罰金を払えば良い」と思うようになってしまった。
●ゲーム実況も、CDのMV同様、販売数を増加させる効果があった。
●人はフリーが大好きで、
ひとたびフリーのものが市場に参入してきた場合、
どんなに品質に差をつけていたとしても、
多少価格を下げるだけでは顧客を呼び戻せない。
フリーに対抗できるものはフリーしかない。
●フリーが失敗する3つの理由
(1)コモディティ化
消費者のほとんどが、差に大きな価値を見出していない。
(2)熱心なユーザの欠如
(3)何に課金するか
「制限の撤廃」だけでなく、
「新たな価値・体験」が得られることを提示しないと失敗することが多い。
●ツイッターも近年まで赤字続きだった。
ある程度の期間の赤字継続を覚悟する必要がある。